《MUMEI》
誤算
            :
            :



夕暮れ時の街に、真っ黒な煙とオレンジ色の炎が立ち昇ってゆく――…。



私は、その狼煙に向かって息咳切って走っていたの。



――…やったわ!ヤったわ!殺ったわ!!



この時の私は、凶悪な笑みを堪えるのを忘れていたかもしれない。



すると案の定―――…



――…ファサッ!…ファサッ!



リューク「ずいぶん嬉しそうだな?」



羽音とともにリュークが話しかけてきたの。



しずか『えぇ!この時を待っていたのよ!』



私は歓喜の声をテレパシーで応えるも――…



リューク「おい、無視するなよ…。」



その心の歓喜は、リュークには伝わっていなかった。



いつの間にかテレパ椎の効力が切れていたのよ…。

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