《MUMEI》

ドラミちゃんは、黒焦げの物体の表面に残るボタンらしき突起物を押したみたいだった。



すると――…



―――…シュルシュル!



その物体は音をたてて小さくなったの。



やがてドラミちゃんは銀髪の少年と何やら言葉を交わすと、“どこでもドア”の向こう側に消えていったわ…。



ドアを包んでいた虹色の光が消えた後――…



私はリュークを伴って、その光が消えた場所に立ちすくんだの…。



まるで天に昇るような歓喜から、一気に地獄の底まで叩き落とされた心境だったわ――…。

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