《MUMEI》
次なる策略
夕暮れ時の空をオレンジ色の火粉が焦がしてゆく――…。



リューク「それにしても人間界の“花火”ってのも綺麗なもんだな…。


…魔界を思い出すぞ…。フハハハハ!」



リュークは呑気に笑っている。



―――…“魔界”…?



そのキーワードを聞いた時、私の脳裏に、あるファンタジー漫画の一場面が思い描かれたの。



それは過去に見たことがある、ド素人が書いたような稚拙な漫画だった。



自慢気に見せてくれたのは武さん…。



そして作者は、漫画家になることを夢見る武さんの妹だったの――…!



――…そうだわ…!



私の口元が思わずニヤけた…!

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