《MUMEI》

私はシワ枯れたリュークの手を握ると、今度は猫撫で声で誘いかける――…。



しずか「言うことを聞いてくれたら、もっと面白いものを見せてあげるのになぁ…。」



私はいぶかるリュークに、付帯条件をチラつかせた――…。



死神相手に人間の小娘の色仕掛けが通用するとは思えなかったけど、リュークを説き伏せる自信はあったの。



案の定―――…



リューク「分かったよ…。やればいいんだろ…?」



飴と鞭を巧みに使い分ける私の口実に圧され――…



…リュークはボヤきながら、荒れ狂う炎によってオレンジ色に染まる空へと羽ばたいたのよ――……。

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