《MUMEI》

この時、私が描いた策略は、まだ“思い付き”の域を脱していなかったの。



この後、この策略は私自身の熟考によって、より現実的に肉づけされてゆき――…



そこに私の頼れる参謀……出来杉さんによる、天才的な“策士”としてのエッセンスが加わることで――…



ドラミちゃんを葬るための策略は、芸術の域まで高められてゆく筈だったの――…。



だけど――…



この後、幾つかの偶然と誤算……そして幾つかの不運と幸運が複雑に絡み合い――…



私が描いた策略は、思いがけない顛末を迎えることになろうとは――…



この時の私は知る由も無かったのよ――…。



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