《MUMEI》
誰ですか…
初めまして。こんにちは。それか、こんばんは、おはようございます。私の名前は杏、21歳。アパートに暮らしてる。どこにでもいるような、普通な人間だ。毎日仕事して、ご飯食べて、寝るっていう普通な生活をしている。そんな私だけど、よろし…

ガッシャーン――――

……えええぇぇぇぇぇ!!
なんの音!?

「いってぇ…」

何か声した!

「あなたって本当に着地下手よね」

「うるせぇよ」

…見に行った方がいいかな…?

確かに台所から聞こえたし…。

「ここに居んのかなぁ」
スパーンッ――――

扉の開く音。

そしてそこには、

「あ、居たぞ」

悪魔みたいな男の人が居た。

後ろには天使っぽい人も居る…。

「誰ですか…」

うん、普通こう聞くよね?
「あら、覚えて無いみたいね」

「覚えて無いんだな…」
何覚えてるとか言ってんだ。

「いや、初対面ですけど」

「…ずいぶん刺々しく育ったな」

はいぃ?

「ねぇ、生まれたときは可愛かったのに」

本当に何言ってんの?

「私のこと知ってるんですか?」

「当たり前じゃないの」
「俺たちお前の、」

次に言われる言葉は思いもよらない言葉だった。
「生みの親だぞ?」

「……………………は?」
一体、どうなってんだ!?



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