《MUMEI》

私が満足気な笑みを浮かべて受話器を握っていると―――…



*スネオ「しずかちゃん…。折入って、キミにお願いがあるんだ。」



スネオさんは電話の向こうで、何やら時間を気にするように早口で喋り始めた。



*スネオ「無理なお願いだと分かってるけど、こんな事を頼めるのは、しずかちゃん以外にいないんだよぉ…。」



しずか「え?…何かしら?」



白々しく問い返す私に、スネオさんは小声で喋りたてた。



*スネオ「しずかちゃん、僕の代わりに林檎を集めて、地下室に運んでくれないか…!?


…お金なら後でキチンと渡すから…!」



しずか「え!?」


――…やっぱりね…。



予想通りの依頼だったけど、私は驚きの声を演じたのよ――…。

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