《MUMEI》

待ち合わせ場所は私達の学校の前。

もう18時だし、お祭りは始まってる頃かな。


「あ!愛香こっちこっち!」

「あ〜、亜希と〜彰!…と、健太…」

「何で俺の名前の時だけテンション下がってんだよ!」


いやいやいや。分かれよ。

これまでに君といて楽しかったことがないからだよ。

そして、最強にめんどくさいからだよ。


「お待たせ〜」

「あ!梨華子も来た!徹哉くんも久しぶり〜!」

「亜希ちゃん、愛香ちゃん、ほんと久しぶり」


うわあ〜。

徹哉くん、何かちょっと大人っぽくなった気がする。

徹哉くんと会ったの4月の終わり頃だもん。

数ヶ月で人間てこんな変わるもんかあ…。


「まあ、彰と健太は知らんから紹介しとくね。これ、一応私の彼氏の徹哉」

「一応って…まあよろしくなー」

「俺、彰!亜希の彼氏!よろしく〜」

「俺は矢崎健太っす〜」


健太の自己紹介の後にちらっと私を見る徹哉くん。

彰が亜希の彼氏だから、健太は私の彼氏…とか思ってんでしょ!

とんでもない!違う違う!

私は全力で首を横に振った。

理解したのか、徹哉くんは"そんな否定しなくても"と笑った。

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