《MUMEI》
尽きた林檎と死神の憤り
しずか「さてと――…。」



私はジャイ子ちゃんにクルリと背を向けると、ドラちゃんの四次元ポケットから、バイバインとストップ・ザ・バイバインを取り出したの。



そして地下室の反対側の片隅に置かれた、大きなクーラーボックスに歩み寄ったのよ。



――… ガチャン … ガチャン …。



そしてボックスの留め金を外し蓋を開けると――…



しずか「あら―――……?」



その中身を見た瞬間、私の顔色が面倒事に直面したときのように曇ったの。



しずか「なによコレ!?…空っぽじゃない!」



大量の林檎が入っていた筈のクーラーボックスは、いつの間にか空になっていたのよ。

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