《MUMEI》

クーラーボックスの中身が空になる原因は一つしか考えられない。



しずか「リュークったら、全部食べちゃったのね?


…まったく…。食いしん坊にも程があるわ…。」



私は呆れたような溜め息を洩らした。



すると――…



リューク「――…おい…。」



暗がりから声が聞こえたの…。



低く澱んだ“死神”の声が――…!



しずか「あらリューク…。


…いたの?」



私はさも平然と、その声の主を見つめる。



昨晩リュークとの間に起こった一悶着が原因で、まだ私達の間には険悪な空気が残ったままだった。

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