《MUMEI》 ついに俯く私。 すると、健太は予想外な言葉を口にした。 「愛香が寂しいと、俺も寂しい」 気づくと、健太は片手で私の肩を支えてくれていた。 笑うかと思ってた。 またいつもみたいに、"ちゅーしたい"とか、馬鹿みたいなこと言うと思ってた。 …気が狂うじゃん。 何よ。俺も寂しいって。 「…馬鹿じゃん、健太」 「仕方ないじゃん、馬鹿なんだからさ」 健太がいる左側が、何だか温かくて。 何だろ、コレ。 何なんだろ、この変な感じ。 意味分かんないよ。 「あ、金魚、5匹とれた!愛香、1匹もとれてないし、あげるよ、俺の」 「………ありがと」 素直にそう言った私に、健太は目を丸くした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |