《MUMEI》 あいつ、ほんと何がしたいの。 あいつの考えてることがほんとに分からない。 ベッドに倒れ込んだそのとき、携帯が鳴った。 私のテンションとは正反対な、陽気なメロディー。 誰よ、こんな昼時に。 携帯を広げるとメールが一件。 亜希からだった。 "暇だったらいつも行ってるカラオケに来て〜!梨華子もいるよん♪" 何か内容がもう、あんた暇でしょ?なら、おいで!って感じじゃんよ。 いや、行くよ。行くけどさ。 一人じゃやることないし、何かいろいろ変なことが頭ん中ぐるぐる回ってるだけだし。 亜希と梨華子だし、カラオケだし、ナチュラルメイクで問題ないよね。 面倒ってのもあるけど。 この前買って、まだ着てないワンピを着た。 外に出ると、蝉の鳴き声が頭に響いた。 ほんとうるさい〜…。 私はかるく耳を抑えながら、ダラダラといつも行っているカラオケに向かった。 前へ |次へ |
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