《MUMEI》

幼子「うえぇ〜ん!あのお姉ちゃん怖いよぉ〜!」



その時、そばを通りかかった幼子が、私の顔を見るなり怯えて泣きだしてしまった。



一緒にいた母親が『なに!?この娘!?』とでも言いたげに、私を睨んでいたわ。



気がつくと私は、ゾクゾクと身震いするほど興奮し、手の平に大量の汗をかいていたの。



思案の最中、私は殺気を孕んだ表情を隠すのを忘れていたのよ。




――…いけない……私ったら…。



私は、その親子から逃げるように、街角を離れたのよ――…。



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