《MUMEI》 一羽の小鳥水瀬が髪を切ったのは休みが明けてからだった。 風に舞う彼女の毛先を見ていたらすっきりした。夏休みは講習受けよう。無料だし。 「バイトしない?」 「……やだ。」 このやり取り何回目かな。 「じゃあ一人でバイトか」 七生のこの顔は渋々、と言ったところかな。 「勉強はしないの?」 「勉強嫌い。就職するし。」 「ふーん、じゃあ勝手にすれば!」 就職、いざ本人の口から聞くと苦しい……。 結構、キたな。今のは。 皆いつも通りに話しているけど向いて見ているのは一人一人別々の方向なんだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |