《MUMEI》
とれいん
鏡を踏んだ足、7針、壁を殴った拳、複雑骨折、ちょうど仕事も辞めたし、これからの事考えながら、家で治していこう。                 一週間がたった。


発狂寸前。

無気力。

後向き、生きるという事を考えるようになった。

ふとよぎる最悪の結末、…欝。

日の光浴びながら昼寝でもしたい、みんなでワイワイな楽しさ味わいたい、彼女と楽しい金曜、土曜を過ごしたい、世の中が楽しそうな時、俺も仲間に入りたい、休みの日の不安なんてあってほしくない、才能がほしかった。

22にもなってこんなこと思うなんて、成長、まったくしない。

また叫びたくなった、だけど、ぐっと、歯を食い縛りながら、赤い爪の後が残るまで拳を握った。                ふっと力が抜け、バグって真っ白になった。

扉を開け鍵を閉め、銀行で全財産を引き出していた。
切符を買って電車に乗っていた。

遠くへ、誰もいない、穏やかで、優しい場所、遠くへ俺は行く。

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