《MUMEI》

私の顔はかなり引き攣った。

…あの方…私がホラー映画まじでダメなの知っての提案なのかしら?

テレビ画面でも観れない私が、映画館で観ろと。


"P.S.「きゃー、怖い☆」って言って矢崎に抱き着いとけ(笑)"


しかも何よ、"(笑)"って。

もう半分面白がってんじゃん。

梨華子なりの優しさなんだろうけど、私にとって、とんでもなく辛い提案。

…でも、せっかくの梨華子の提案だしな…。

亜希からだったら"黙っとけ、アホ"って送ってたけど、あの梨華子からだからなあ。

"絶対に無理"なんて送ったら、次梨華子に会う時何をされるか分からない、うん。


ここは勇気を出して誘っとく?

なんて、思った私。

気がつくと、ホラー映画で検索して、その映画のやっている時間帯とかを調べていた。


「12日の13時からのが、時間帯的にちょうどいいかなあ…」


何真剣に考えてんだ私は。

何か恥ずかしくなってきた。

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