《MUMEI》 その後。※R-15【黒執事】 その後。 あのアニメ版のラストを見て書いたものです。 黒執事2の前なので、設定が色々とアレですが。 あの暗転の続き。 = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = 「……ん……ぁ…何してる」 「何って…キスですよ」 「ッ…///俺の魂を持って行くんじゃないのか!なっ、何でキスなんか…」 「……」 頬を赤く染めながら怒っている坊ちゃんの顔の前まで、唯一残った右腕を掲げると、指でそっとその小さくて可愛らしい唇に触れる。 「んっ、やめろっ!」 坊ちゃんは私の右の腕を振り払うと、その手が左腕があったであろう袖の辺りに当たった。 「……ぁ」 私の左腕が天使に切り落とされたという事は…。 「そう…か…」 坊ちゃんの右目にあるのと同じ私の左手の甲にあったペンタクルが無い、という事を理解した様子で、驚愕の表情を浮かべると共にかがっくりとうなだれていた。 「ほら、貴方の瞳も…」 「…離れてくのか?」 坊ちゃんのその声は若干震えているような………。 そんな気がして坊ちゃんを見ると、下を俯いて今までの威勢の良い姿とは全く違い、まるで子供のように小さくなっていた。 普段の大人びた様子からは想像できないような姿に…抱きしめたくなるような衝動に駆られてしまう…。 「……泣いてます?」 「泣いてない!」 そう言いながらも若干潤んだ瞳で私の事を見つめてくる。 その視線は小さな動物が”捨てないで”と言っている視線にも似ているようで…でも、坊ちゃんの気の強さからそんな事は表にも出さずに強がっている。 そんな、意地っ張りな猫のような所が可愛らしい。 さすが、私の坊ちゃん。 前へ |次へ |
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