《MUMEI》 「そんな可愛いんだから、甘えられたら男はイチコロなんだろうな〜」 「私ドリアでいいかな」 「おい、無視かよ!」 そう言った健太をまたスルーして、店員を呼んで注文。 店員がにこやかに去っていくと、今度は健太が私の顔をまじまじと見始める。 …何か、妙に照れる。 "気になってる奴" それを意識しちゃうと余計に。 「…愛香って今まで何人と付き合った?」 「は?いきなりどうしたの?」 「いいから教えろよー」 「…二人だけど、何?」 いきなりテンションが低くなる健太。 自分から聞いたクセに。 今からホラー映画観るんだから、テンション下げられたら困るよ、ほんと。 「…飲み物取ってくるわ」 「え…あ、うん」 意味分からない。 何でいきなりテンション下がったんだろ。 健太が飲み物を取りに行ってる間に、注文したものが運ばれた。 …先に食べたら、それこそ私最低だよね。 別にかなりお腹空いてるわけじゃないし、待ってよう…。 前へ |次へ |
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