《MUMEI》

「…何?」

「何がきっかけで…その二人の男と付き合うことになったの?」


…へ?

一瞬、停止してしまった。

何を聞いてるんだ、この人は。

女みたいなことを聞いてくるな、ほんと。


「何がきっかけって…」

「愛香が告白したわけじゃないだろ?」

「…いや、一人目は確か私からだけど」

「えっ!?」


何を驚いてんだろ、この人。

私はちょっと冷めかけたドリアを、スプーンですくって口に運んだ。


「あ、愛香が告白…何で別れたんだよ、その一人目とは」

「…うーん、確か、その一人目は…束縛ハンパなくて…疲れたから」

「二人目は!?」

「あっちから告白してきた。ひとつ年上だったんだけど、そいつは性欲がハンパなくて」

「そ…そうなんだ…」


何このトーク。

この話、亜希と梨華子にもした気がすんだけど。

確か梨華子は大爆笑だった。

そして目の前の奴は、何故か放心状態。

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