《MUMEI》

梨華子とは正反対だね、このテンション。

何でこんな絶望に満ちた顔してんだろ、この人。


健太が何も喋らないので、黙々と食べる私。

しばらくすると、健太はまた口を開いた。


「…その二人のこと…ちゃんと好き…だった?」

「は?…うん、まあ好きだったんじゃない?中学んときだし、忘れちゃったよ」


まあ、今高1だからまだ一年前は中学生だけど。

私そういうこと直ぐに忘れるタイプだし。


「…幸せだな…愛香に"好き"って想われてたその二人は…」


いきなり何を言い出すんだ、この人は。


私が"意味分からない"と言うと、健太はやっとパスタを食べはじめた。

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