《MUMEI》

「あーっ!体がちがちだわ〜」


やっと映画が終わって、あの恐怖感から解放された。

…でも、ずっと健太に支えられてたし…まだマシっちゃあ、マシだった。

健太の顔がうまく見れない…。


「てか愛香さあ…」

「な…何…?」

「ホラー苦手なのに何で…」

「聞かないでっ!」


梨華子からすすめられたって言えばいいことだけど、結局行こうって決めたのは私だし…。


「なんとなく…なんとなくだよ」

「ふーん…なんとなく、ね〜」


…何か、にやけてるし。

もう…あんな姿見せたら今日は偉そうな態度出来ない…。

小さくため息をつく私。


「なら、俺もなんとなくで誘っていい?」

「はあ?」

「8月末にさ、地元で花火大会あるんだ。それ一緒に行ってよ」

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