《MUMEI》
 Story.6 : 花火大会
"好き"になってしまった。

あんなにウザくて、馬鹿で、めんどくさくて、ダルい奴が私は好きなんだ。

…あーもう。

こんなんじゃ、私のが馬鹿だ。

梨華子にも亜希にも、まだ言えてない。

花火大会に誘われたことも言ってないし。


花火大会は、もう3日後に迫っていた。

…浴衣、かあ。

やだなあ、浴衣…。

私っぽくないし、何よりあいつの前で浴衣なんて。

普通でいられる自信がない。


そして、もうただの"気になってる奴"じゃない。

私はあいつのことが"好き"。

余計素直になれないじゃん。


…あーもうやだっ。

最初はあんなにうざかったのにさ。

それに…あいつはただ、面白がってるだけでしょ…。

私が好きになるなんて…。

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