《MUMEI》 …何か悔しい。 花火大会まで、私はもうソワソワしっぱなしだった。 梨華子にカラオケに誘われたけど、私はもうそれどころじゃなかった。 それに、梨華子に会っていろいろ聞かれたら、うっかり私の気持ちを言ってしまいそうだった。 …まだ、言う勇気なんてない。 クローゼットの奥にしまってある浴衣を取りだす。 紺色の生地に蝶が舞う、シンプルなデザイン。 私なんかに絶対合わない。 …でも着るしかないんだよね。 "18時に学校前な!" そんなメールがきて、余計にソワソワしてしまう私。 とりあえず、いつもより丁寧に化粧をして、浴衣を着る。 ちょっと恥ずかしいけど、帯はお母さんに頼んだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |