《MUMEI》
もう一つの悪魔退治
「灰も残らないなんて…」
埋葬すら許されないのか?
やる瀬なさが加奈子の胸を絞めつける。
「いやぁ、最後に凄いモノが見れたねぇ!」
「………。」
「もうスッカリ朝になっちゃったしそろそろ帰ろ!」
「………。」
「加奈子も帰ったら?もう、此処にいる意味ないでしょ?」
「………。」
「あ、無視?まぁ、いいけどね。」
何の返事もない加奈子を放って、美雪は扉に手を掛けた。
「あ、そうそう。此処ね、あと数時間で爆発するからその前に逃げた方がいいよ?」
「…さない。」
「え?何?聞こえない。」
「許さない!!」
加奈子は出て行こうとする美雪の頭目掛けて振り落とした。
焼け跡に残された、リョウを貫いた鉄パイプで
動かなくなるまで
何度も何度も振り落としていた。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫