《MUMEI》 また、私の立っている場所からは、ドラミちゃんの背中が邪魔になっていて、その秘密道具の正体を確かめることも出来なかったの。 ―――…あれは何…!? ――…ドラミちゃん、いったい何をしようとしてるの!? 私は林檎の入った重い買物袋を両手にぶらさげたまま、彼女に気づかれないよう5メートルほどの距離まで近づいてゆく。 そして別の電柱の影に身を隠すと、彼女が手に持っている秘密道具を眼を凝らして盗み見たの。 黄色い背中越しに見えたそれは“虫”みたいに小さな二つの物体だったわ。 ――…あれは…? ――…確か、以前のび太さんが使っていた――… 前へ |次へ |
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