《MUMEI》

ドラミちゃんが放ったスパイ衛星は、出来杉さん達を中心に2メートルほどの円を描く軌道に乗ったみたいだった。



自分達を監視する衛星が、すぐ近くを飛び回っていることにも気付かず、二人はスネオさんの自宅へと歩き去っていったの。



ドラミちゃんは物陰に隠れて、その様子を見送っていたわ。



―――…マズイわ…!


――…もしも出来杉さんが冷酷な裏の顔で、スネオさんを威しているところを、アレ(スパイ衛星)で見られたら…!?


――…ドラミちゃんとキラである私の距離は、一気に縮まってしまうわ!!



私は電柱の影で、買物袋の持ち手が肩に食い込む痛みも忘れて、彼女の後ろ姿を睨んでいたの。

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