《MUMEI》

ーーー…


気まずい。気まず過ぎる。


夏休みも終わって、今日からいよいよ学校。

…なんだけども。

何で。何でだろう。

こんな時に、朝、健太とかぶるなんて。

いつもこんな早く来ないじゃん、あいつ。

下駄箱で会ってしまうなんて気まず過ぎる。


あいつが行くまで絶対に顔出さないようにしなきゃ…。


「あれ?愛香おっはよん♪」

「ちょ!亜希!」


最悪…。

亜希もこんな早く来ないのに。

まじで亜希ってKY…。


「え?愛香?」

「あ!矢崎くんおはよう!矢崎くんお気に入りの愛香もいるよーんっ♪」

「おい!馬鹿!亜希!」

「あー…愛香、おはよ」


…へ…。

あれ?何か頭が真っ白に…。


「あら?矢崎くん、テンションひっく!夏休み終わっちゃったからかねえ?愛香?」

「…ね…テンションひっく…」


何で、こんな苦しいんだろ。

何か、泣きそうなんだけど。

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