《MUMEI》 教室に入ると、まだ5、6人しかいなくて。 その中に健太はいなかった。 「…何それ…」 「…愛香、夏休み中に矢崎くんと何かあった?」 「別に。知らないあんな奴」 何なの、あいつ。 花火大会までの健太とはまるで正反対。 あの日のこと気にしてるわけ? まだ"悪かったな"とか思ってるわけ? いいよ、別に…。 そんな分かりやすく距離とられたら、私可笑しくなっちゃうよ。 "馬鹿みたいに好き" それは嘘なわけ? 私だって…私だって健太のこと、馬鹿みたいに…好きなのに。 …やっぱり、素直に言えばよかったんだ。 "好き"って。 ちゃんと伝えればよかった。 「…私、亜希みたいになりたい」 「へ!?いきなり何、愛香!照れるじゃん!」 「どうしたら素直になれるの?」 「…え?愛香…?」 "素直になる"って、難しすぎるよ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |