《MUMEI》







一階に降りて東側校舎の人通りの少ない廊下、そこから微かに聞こえてくることごとく音程を外す鼻歌。犯人は花笑だった。


ちなみに選曲は山口ももえの【プレイバック】
……古くない?とかのツッコみはスルーします。











ダル気にスリッパを擦りながら廊下を歩く花笑は急に足を止め、窓をガラリと開ける

そして次の瞬間-------------







「とう!」











上履きのまま、掛け声とともに窓を飛び越え外に着地



ふう、と息をつく。ムクッと立ち上がろうとしたその時…!









「好きですッ!」

ビクッ!!











驚きのあまり身を低くし草影に隠れる、
誰がいるんだろうかとゆっくり顔を上げると小柄な女子と明るい栗毛の男子の二人が立っていた…










--------------告白…か?











状況からして曖昧だが告白現場だと推測した



















「あたし、先輩のこと前から気になってて、よかったら付き合ってくれませんか?」











あ、あの子、今年一番可愛いと言われていたルーキーだ。

名前は確か…………えーっと…まぁいっか










花笑は他人の一部始終を覗きながら考える



モジモジとした態度に上目遣い
まぁぶっちゃけ古い攻撃で男を落とそうとしている。そしてその攻撃を受けた男子はと言うと……………















「あ、いや、誰?君…」

「「……………………」」












落とす以前の問題だった。













「あの、知りませんか?あたしのこと……これでもなかなか人気なんですけど…」

「え?そうなの、ふーん。つか誰もかれもが知ってると思ったら大間違いだと思うけど?」

「え?いや、一様1年のなかじゃ一番って言われてるから知ってるのかと」

「え?知らない知らない。興味ない」












頭をがさつに掻きながら毒を吐く、女子のほうは多分こんな言われようを今までに受けたことがないのだろう、ショックで呆然としている















「あ、もう帰っていい?」




可愛いと称される人気女子に世を向け歩き出す








「へ、返事は!?」











呼び止める女子にクルリと顔だけ向けて軽く笑いながら














「僕、女キライ。特に着飾った奴とか媚びる奴とかね」









それじゃ、とかいいながら手を振る、女子は泣きながらその場を去った












「余計な時間取られたなぁ」










ブツブツ独り言を言ってると男子は気付く、













「………………………………」
「………………………………」






草むらに冷や汗を流しながら隠れている…








「………………………誰」









花笑に、











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