《MUMEI》

今日もやっと憂鬱な学校が終わった。

帰りのHRが終わると私の方を見向きもせず教室を出ていく健太。

…ここまでくると、さすがに感じ悪い。


教室から出ていく健太を、かるく睨んでやった。

…てか、あれ?

あいつ、何で左行った?

右の階段からのが…昇降口は近いし、てか私たちの教室からは右の階段からしか…。


「じゃ!悪いけど、愛香先に屋上行ってて!」

「はいはい。早く来てよね」

「分かってる!」


…ったく。

亜希の"分かってる"は"分かってない"とイコールだからな。


私は呆れながら、教室を出て左に曲がった。

私とは正反対の方向へ流れていく生徒たち。

…何か変な感じだわ…。


私はそう思いながらも、さっさと屋上へと向かった。

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