《MUMEI》

ー12月24日。

この日はほんとに街中がカップルで溢れる。

私たちは、一泊分の荷物を持って梨華子んちの車に乗り込んだ。

何で梨華子んちの車かというと、当たり前に私たちは車どころか車の免許すらないし。

唯一、梨華子んちの車が大人数乗れる車だったから。

ホテルまでは、梨華子の6歳上のお姉さんが送ってくれるらしいんだけど…。


「梨華子ってば〜!ホテルで徹哉くんと何するつもりよ☆」

「まじでアンタ、地獄に落としてやろうか?」


…梨華子恐すぎ。

そして徹哉くんはかなり気まずそうな感じ。

梨華子のお姉さん…。

一回会ったことあるけど、相変わらずな感じだわ…。


「梨華子ちゃん、いつもより怖いな…」

「健太、あんたホテルに着くまでは下手なこと言わないでね…多分殴る蹴るじゃ終わらない…」

「…俺まだ地獄逝きたくない…」

「だったら黙ってな…」


ホテルに着くまでの車の中は、梨華子のお姉さんだけがうるさくて…。

亜希と彰でさえも、一言も喋らなかった…。

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