《MUMEI》

ホテルの部屋割りは、やっぱりカップルごとだった。

クリスマスってこともあって、宿泊客のほとんどがカップルみたい。

…まあ、カップルで来れば半額、なんてなったらそりゃみんな食いつくか。


私たちの部屋は3階。

私と健太が301号室で、302が亜希たち、303が梨華子たち。

…何でよりによって、一番端っこの部屋が私たちなの…。


「おお〜!意外と広いなあ〜!」

「…ちょっと…」

「え?どうした?」


この部屋…何でベッドがダブルベッドの一つなのよ…。

普通、シングルを二つでしょ。

もう自動的に一緒に寝ることになるじゃん…。

最悪だ…。夜が怖い。


「愛香、随分と顔が引き攣ってんな!」

「…最悪のクリスマスとなりそうだわ…」

「はあ?ひでぇな、愛香!」

「とりあえず、早く支度してよ。支度が出来次第、ロビーに集合なんだからさ」

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