《MUMEI》

月隠れの深夜、フイリプは屋敷を抜け出した。とある崇高なる目的を、実行に移すためであった。

祭が催されていた、空き地にはテントが無数に張られていて、そこらに無秩序に配置された貼紙には、見世物小屋は朝に撤収すると記載されている。

足音を極力無くしながら、人の気配のするテントを避け、一際こじんまりとしたテントを見付けた。
鰓で呼吸をする音が、ささやかに響いていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫