《MUMEI》

「ちーす、アンタ達バリバリ遊んでるか!」
由加里姉が満面の笑みで車の窓から顔を出した。


「どうして由加里姉急に?」

「そろそろ盆だからな。後でタロも来るから!

お?ジロ前より背ぇ伸びたんじゃねぇ?」
俺の頭をぐしゃぐしゃと揺する。
タロにジロって●極物語みたいな呼び方だな……そうか、太郎兄帰って来るんだ。お土産何かな。


「じゃあ、盆まで居るの?やったあ、由加里姉の車乗せて欲しい!」
七生があからさまにごきげんになった。
……そうだ、七生は由加里姉が好きだったんだ。


乙矢が静かだと思っていたら俺の後ろからそっと逃げ出そうとしていたので、服の裾を握っておいた。

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