《MUMEI》

…こういうとこ、ほんとにめんどくさいな。

悔しいが、ほんとに綺麗な顔立ちだから許すけど…。


「…あーいか!」

「いきなり何よ」

「…超好き」


そう言って健太はいきなり私を抱きしめる。

…誰かに見られてたらどうすんのよ…。

なんて思ったけど、周りには誰もいなくて。

私たちの横にある水槽の中でただただ魚たちが泳いでるだけ。


「…こんなとこで何…」

「だって、愛香めちゃくちゃ可愛いんだもん。てか、何か柔らかい〜」

「…は?柔らかいって何が…」

「愛香の胸があたって…」

「今すぐ離れろ、馬鹿!」


急に恥ずかしくなってきた!

そして、今日の夜のことを考えてしまう。

…どうしよう、今絶対に顔赤いんだけどっ…。

ちゃっかり紫の下着を持ってきた私。

もう私のがその気満々みたいでほんとにやだ〜…。

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