《MUMEI》

「愛香…ちゅーしたい」

「…いちいち言わないでよ、恥ずかしいから〜っ」

「愛香可愛い〜!ほんと照れると顔真っ赤なるな…」


そして優しく唇を重ねる健太。


「ん…」


水族館でキスするなんて…もうほんと私たちって…。


時々唇を離して、目が合って。

その度に二人して照れ笑いをして。

そしてまた唇を重ねて。

…大好き。

キスしてるだけで、伝わればいいのにな…。

言葉では、私なかなか伝えられないから。


「…もう…健太ってば…」

「ははっ…今、何回キスしたの、俺ら」

「分からない…もう恥ずかしいっ…」

「愛香〜っ!今すぐ襲っちゃいたいっ」

「馬鹿っ」


健太といると、ドキドキしっぱなしだよ。

心臓がもたない。

こんなの、初めてなんだよ。


「夜は愛香のこと食べちゃうからね?」

「…今言わないでよ…」


否定はしない。

…だって、そうなることを想定して準備してきちゃった私がいるから。

…ほんとに恥ずかしい。

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