《MUMEI》

七生がボー然としていた。


「今日、二郎の家泊まらせて?」
後ろで乙矢が小声で聞いていた。


俺の周囲で様々な思惑が交錯している……?

ふ、不安だ。




「ただいまあ。あれ?由加里は〜?頑張って早く帰ったのに」
 太郎兄だ!



「おかえり」
ほっとした!太郎兄で空気が変わったみたいだ。




  雀が鳴いている。
間の抜けた声だ。太郎兄の声みたいだ。

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