《MUMEI》
 Story.9 : バイク
「矢崎くんがクールなんてほんと考えらんないよ〜」


クリスマスが終わってから、もう5日。

亜希はいつまで、この話引きずるんだか…。

案の定、二人にはいろいろ聞かれまして。

話を聞きながら、二人ともニヤニヤしていたわけで。

…明日で今年も終わるのよ。

私はいつまでからかわれるのかしら、この二人に。


「でも愛香って…なんだかんだ矢崎のこと好きだよねえ」

「うるさいよ、梨華子。あんただって徹哉くんのこと…」

「好きだよ?だから付き合ってんじゃん」


…こいつ〜…。

こういう時だけハッキリ言うんだから。

というか、年越しを目前に何故私たちはカラオケにいるの。

とりあえず大みそかは流石に家族で過ごすことになった。

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