《MUMEI》
1日目
「天王寺、静流が用があるらしいから静流のクラスに行ってやってほしい」
帰りのホームルームが終わると唐突に委員長にそう言われた
(なんの用だ?)
「………なんの用かわからないという顔をされても私が困る。とにかく行ってやってくれ」
「あ、ああ。部活には先に行っててくれ」
「わかった。……静流を…よろしく頼む」
「ん??なんか言った?」
「なんでもない!それより早く行ってくれ!」
「お、おお」
なんか解らんが委員長を怒らせたみたいだ。それにしても静流はなんの用なんだ?
ま、とっとと行って本人に聞くか


静流のクラスの扉を開くと静流が1人佇んでいた「やあ。なんの用?」
「コタロー、大事な話がある」
「…大事な話?」
よくわからないが静流の表情は真剣そのもので何か思い詰めた感じがした
だから何を言われても茶化さず聞くか
「実はその……私はコタローの事がす、その……ええと…」
なんかすごくテンパっていらっしゃる
「今度一緒に買い物に行こう!」
「買い物か。いいぜ」
あれ、何故か静流が呆然とした顔をしてる。なんか伝えたかったことと違うことを言ってしまったみたいな
まあいいや
「明日は学校休みだし明日はどうだ?」
「むう…」
「ん?どうした?」
「なんでもない…明日、新しくできたショッピングセンターがあるからそこに行きたい」
「お、いいぜ。それじゃ部活行くか」
「うむ」
こうして今日は静流と部活に行っていつもみたいにばか騒ぎしてお開きとなった

「ねえ瑚太郎君。今日はどうしたのさ」
「なんのことだ?」
部活の帰り道。唐突に小鳥がそんなことを聞いてきた
「どうしたも何も今日部活に来る前に静流ちゃんに呼ばれてたじゃん」
「ああ…その事か。買い物に誘われたから明日新しくできたショッピングセンターあるだろ。そこに行くことになった」
「買い物、か……ま、いきなりは静流ちゃんには辛かったか」
「なんのこと?」
「乙女の秘密」
わけがわからない
こうなった小鳥は何を聞いても教えてくれないからなぁ…ま、いっか

「じゃあね瑚太郎君」
「じゃあな」
そうしていつもみたいに別れて俺は自宅に着いた。両親はいつも通り家を空けてる。……昔いろいろあったからな。会っても気まずいだけだ
それにしても静流と買い物か。急にどうしたんだろう。ルチアじゃなくてなんで俺?だけど結構楽しみだな。静流といると楽しいし



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