《MUMEI》

「で、何悩んでんの?」

二本目の缶ビールを飲み干した頃、龍彦は首を傾げた。

「は?何?」

スルメをくわえたまま目を丸める敬一に、ため息をついてみせる。

「だから、なんか悩んでるから飲みに誘ったんだろ。な?」

黙々と飲んでいた貴明も、ぱちりと瞬きして頷く。

「分かりやすすぎ。」
「貴明まで。」

困ったように頭を掻く敬一に、龍彦はふん、と鼻を鳴らす。

「話せばいいじゃん。聞くし、普通に。」
「うーん。」
「話したいんだろ?」
「いやぁ」

微妙な話しなんだけどさ。それだけ言って口籠もる敬一。
少しだけ視線をさまよわせてから、ビールを一口飲み、決心するように首を振った。

「あのさ。」
「ん?」





告白された。

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