《MUMEI》 3…それをわたしに言われても…答えようがない。 「あっあの、受け止めてくれて本当にありがとう。その…そろそろ開放してほしいんだけど」 未だわたしの体は彼の腕の中。 だけど彼は逆に、わたしをぎゅぅっと抱き締めてきた。 「きゃああっ!」 「少し黙って」 「はっはい…」 言われた通りに黙っていると、彼の手がわたしの体に触れる。 首筋や頬に、彼の唇の感触が触れるたびに、声を上げそうになるのを歯を食いしばって耐えた。 「…やっぱり大丈夫みたいだ。何でだろう?」 彼の両手が、わたしの頬を包み込む。 そして自然な流れで―わたしにキスをする。 「うん、キスも平気みたいだ」 …と言われても、わたしは石像のように固まってしまっていた。 「匂いも感触も悪くない。よし、キミ。明日から…いや、今日から僕の傍にいなよ」 「へっ…? ええっ!?」 その時の声は、校舎中に響き渡ったと言う…。 前へ |次へ |
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