《MUMEI》 6毎日のようにくっつかれ、キスをされ続けたら、わたしまで彼に夢中になってしまった。 あんなに近寄らないようにしていたのに…。 近寄れば、ファンのコ達と同じように、夢中になってしまうことが分かっていたから。 「うん、それなら良い。ウソついたら…分かるよね?」 彼の目に、危険な光が宿る。 「うっうん」 「いっつも引っ付いているんだから、キミに何かあったらすぐ気付くから」 「だから無いって! こっこれだけくっつかれたら、近付く人なんていないから!」 すでに全校生徒&先生達の間では、話が広まっている。 「そりゃあ良かった。周囲に見せつけてたかいがあった」 ううっ…! やっぱり性格が悪い。 「ねぇ、たまにはキミからキスしてよ?」 「うっ…」 けれど潔癖症の彼が、わたしにだけ触れてくれるのなら…。 わたしは背伸びをして、彼にキスをした。 思いと誓いを込めた、キスを―。 前へ |
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