《MUMEI》

出来杉「やぁ、武くん。」



――…ズザザザ〜ッ!


ジャイアン「おぅ!出来杉かぁ!…ゼェゼェ!」



出来杉から声をかけると、武は裸足を地面に踏ん張らせて止まった。



不眠不休で走り回ったためか、その身体は敗慘兵のようにボロボロだった。



出来杉「どうしたんだい?…そんな息咳切って…。」



ジャイアン「出来杉ィ!…ゼェゼェ…ドラミを見なかったか!?…ゼェゼェ…。」



出来杉「ドラミ君?……なんでだい?……何かあったのかい?」



ジャイアン「あぁ、一昨日から妹が…!


…ジャイ子が居なくなっちまったんだょぉ!」



妹を案じる兄は、眼から大粒の涙をぶわっと溢れさせる…。



出来杉「え!?ジャイ子ちゃんが!?」

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