《MUMEI》

――…だけど、まだキミをドラミ君に会わせる訳にはいかないんだよ…。



――…悪いけど、もう少し街をかけずり回って貰うからね…。(笑)



出来杉は、地べたに這いつくばって嘆く少年の背中をそっと撫でる――…。



出来杉「武くん…。


…そういえば僕……さっきドラミ君を見かけたよ。」



…悪魔の声は優しい…。



そして広い背中に添えられた手の平から伝わるぬくもりも温かかった――…。



武は泥と汗と涙で汚れた顔を上げる。



ジャイアン「…本当か?……出来杉ィ…。」



出来杉「あぁ、さっき商店街の方に歩いてゆくのを見かけたんだ。」

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