《MUMEI》
取り扱い説明書4
「嫌じゃねぇよ…本当に嫌だったら、こんな太いものが簡単に入るわけねぇだろ」

霧島の言葉に比例して、下腹部がどんどん苦しくなっていく。

「……っふ…ぁ…」

「喋れねぇくせに喘いでんじゃねぇよ…」

体内に浸入してきたモノが、ズルズルと引きずり出されては、また体内に戻ってきて子宮を突く。
その動きは、どんどん早くなり、体に電気が走ったような感覚が襲い、彩矢は痙攣した。

「あぁぁああぁああっ!!!!」












眩しくて、目が開かない。
それでも徐々に目を慣らしていくと、グレーの天井と見慣れない照明とシャワーのノズルが目に入った。
どうやらここは、浴室らしい。


自分の置かれている状況が理解できず、ボーッとする頭で考えていると、冷たい水が降ってきた。

「……ッ!!」

あまりにも突然のことで、声も出なかった。
だが、次に聞こえてきた声でハッとする。

「起きたか、淫乱女」

彩矢のすぐ横には、霧島が立っていた。

「体を洗って着替えろ、モタモタするなよ」

そう言って霧島は、浴室から出て行った。


一瞬、さっきの出来事が夢だと思った。
目を開けた瞬間、いつもの自分の部屋のような気がした。


だが、その考えが夢だった。


なんでこんなことに…そう思ったが、考えても答えは出ない。
出たとしても、希望が持てる気がしなかった彩矢は、霧島の「モタモタするなよ」という言葉通り、急いで体を洗い浴室を出て、入り口の横に置いてあった白い上下の服を着た。

「ガキみたいな体のくせに、無理矢理挿れられてイクとはな…しかも失神までして…人間的に失格でも玩具としては合格に近いな」

部屋に戻ると、机に向かった霧島が、こちらを見ずに言い、笑った。
そして、一枚の紙をひらひらと見せた。

「おまえの取り扱い説明書だ、いたぶられて悦ぶマゾだって書いてある…ここの奴ら全員に配布しといてやるから会った奴には、どうぞ虐めてください、とでも言うんだな」

「…そ……」

彩矢が言葉にしようとすると、霧島が言った。

「口応えするなよ」

その気迫に、彩矢は黙ってしまった。

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