《MUMEI》

ノリコの居るベランダへ行ってみると、"しゃがんで"とジェスチャーされたので中腰になった。

「なに?」

「ちょっと下見て!」

小声だが明らかに焦ったノリコ。
言われるがまま柵から下を覗き込んだ。



「っ!!!!!!」



一瞬声を出しそうになったけど必死に耐えた。明らかに怪しい、気味の悪い男がこちらを見ていた。

恐怖で体が動かない。


どうしよう


どうしよう






男は視線をそらすことなく、こっちを…いや、私を見ていた。





薄れゆく意識の中で男が何か喋った気がした。







ハ ジ マ ル ヨ



と。

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