《MUMEI》

銀の匙で蜂蜜を掬い、水槽へと垂らすと、人魚は舌を出して飲み込む。

無機質な表情ではあるが、フイリプには喜んでいるように見えていた。

その錯覚は、自己満足に近く、自分にしか、理解の出来ない作品を作るように、水槽にはルビーやサファイア、繊細な文様のティーカップを沈めていった。

人魚は鉱石にくちづけたり、カップの中を、出入りし、フイリプを満足させた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫