《MUMEI》

私は彼を信じきれなかった。


私を大切だと言って

その人の連絡先を消してくれたのに。


自分がいない間に会ってるんじゃないか。

知らない間に連絡をとってるんじゃないか。

私じゃなく、

その人を選ぶんじゃないか。

信じられなかった。


なんで信じられなかったんだろう。


ただ別れが怖くて、

彼の口からそれを聞きたくなくて

自分から離れてしまった。

逃げた。


今なら、

逃げちゃダメだって。

信じなくちゃダメだって

わかるのに。

かけがえのない人だって

わかってるのに。


別れを

切り出したのは

私。

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