《MUMEI》

ーーー…


長くてつまらない話ばっかの始業式も終わり、みんなそれぞれの教室へ。

亜希に"気をつけてね"と耳打ちされ、私は2組へと向かった。


「…ほんとやだな…」


そう呟き、教室に入る。

案の定、いくつかのグループが出来ていて。

私は人見知りなわけじゃないけど、友達づくりは何か苦手。

とりあえず、黒板に貼ってある座席表で席を確認した。


…亜希の言ってた通り、矢島拓也は前の席か…。

私の隣は…って、ひとつだけ席はみ出してるから隣いないじゃんよ…。

矢島拓也の隣は…間宮百合…マミヤユリ…あ、女の子じゃん。

周りに女の子あんまりいないから、もしかしたら話しかけてくれるかな…。

うん、それを期待しよう。

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