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《MUMEI》 虐めなのに、陽菜は変わってしまった｡ いつも僕を、庇ってくれていたのに……｡ 陽菜は今──… 僕をいじめてる｡ 陽菜が変わり出したのは、中学二年の終わり頃から…｡ なんでそうなってしまったのか、原因は…わからない…｡ 確かなのは、昔とは別人ってことだけ｡ 陽菜は友達の誘いを断ってでも、みんなから気味悪がられている僕と、いつも一緒にいてくれたのに…｡ 僕は陽菜の優しい目を、もうどのくらい見ていないんだろう…。 陽菜のイジメは、僕が今まで受けてきたイジメの中で、いちばん酷く感じた｡ 僕と陽菜は、今年の春に高校生になった｡ けど僕は、今まで一度もちゃんとした制服で登校していない｡ 制服は着ている…｡ でも、僕が着るべき制服じゃない｡ 紺のブレザーに白いシャツ…｡ それに、赤いリボンとチェックのスカート｡ そんな格好で、僕は登校している｡ 昔から女の子と間違えられてきた僕だから、先生やクラスメイトに男だとバレる心配はない｡ 知っているのは僕と陽菜だけ…｡ 何も心配することはない｡ けど、こんな屈辱的なことは精神的に、すごく辛かった。 前へ |次へ |
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